カークレイナートとの出逢い

 

ある時、ふらっと立ち寄った絵画展。いや、絵画”展”っていう程のものじゃない、ほら、デパートとかの○階特設会場って銘打ってて、「どこが特設じゃい、小っちゃいやんけ」っていうくらいのちょっとしたコーナーでやってるやつ。そこに何気なく立ち寄った。価格は、零が一つなかったら考えてもいいかな、なんて思うくらいの価格だから単なる暇つぶし。そんな何気ない気持ちがまさかこういう展開になろうとは、夢にも思わなかった。

イルカとか海の絵を中心に描いてるラッセンや虎の絵を描くシム・シメールくらいは知ってたけど、失礼ながらカークレイナートなんて人の名前はおろか絵すら見た記憶はなかった。絵画展の主催はアールビバンという会社。ある係りの人に声をかけられて「どの絵に興味がありますか?」と...。「買うつもりなんてないんだからほっといてよ」なんて思いながらもなぜか応対してしまい、その時指さしたのがカークレイナートの「マジェスティックナイト」であった。

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何をどう思った(買う可能性あり、とでも思われたのかな?)か、わざわざその絵を壁から取り外してくれてイーゼルに。そして、ライトを当てると !! !! いや、ホントに。これはびっくりですよ、もう感動もんで、一挙に魅せられてしまいました。その時に聞いたのですが、カークの版画はインク(っていうのかな?)に真珠の粉を混ぜており、その関係で光の辺り具合によりいろんな色に見えるそうです。その技を使ってオーロラの絵を中心に、ユニコーンや妖精など、神秘的な世界を作り出しています。それから、本物のダイアモンドを数個貼りつけているのも大きな特徴です。

この作品以外にも数点展示していたけど、何せ初対面だったので、他の作品は何だったか忘れてしまいました。でも、どの作品もカークの特徴である光の魔術の効果は十分で、絵画・版画というより、写真、いやそれ以上のものかな?マジェスティックナイトなんてユニコーンが住んでる湖がこの世の中に実在していて、そこに行って撮ってきた写真だ、っていうくらい綺麗です。今思えば、あの時に声をかけてもらわなかったら、こんなページを作るほどハマったりはしなかっただろうなぁ。

 

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